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史上最高の「妄想ゲー」―エルミナージュ3 -暗黒の使徒と太陽の宮殿-/スターフィッシュ・エスディ

最新作が色々とアレなようなので

発売から1年。プレイ時間88時間。なのに未だ(一応の)エンディングに辿りつけてないゲームについてレビューを書くのは最新作について色よい噂を聞かないからです。今後ここまでの「妄想ゲー」はなかなか出そうにないのは確か、では時間のあるうちに書いてしまおうと。
エルミナージュシリーズを説明するには「Wiz系のダンジョンRPG」の一言で十分でしょう。レアアイテムを求めダンジョンに潜り、レベルドレインと石化の恐怖に怯えながら必死に回復魔法をかけ続け、最後には灰化からのロストに泣くと、まあそんなゲームです。しかしエルミナージュ3をそれたらしめているのはWiz系の要素だけではない、と自分は考えます。エルミ3の本質は各種ロード機能に他ならない、そう思うのです。

エルミ3は究極の「妄想ゲー」である

エルミ3には主に3つのカスタマイズ要素があります。

  • フェイスロード:プレイヤーキャラのアイコンを好きな画像に変更できる
  • スタイルロード:プレイヤーキャラのステータス画像を好きな画像に変更できる
  • サウンドロード:BGMを好きな曲に変更できる

つまりこういうこと。

まあこれがこうなるわけだけれど。

で、これが組み合わさった結果「世界樹の迷宮のキャラでイースのBGMを流しつつ敵をなぎ倒す」「特撮キャラを作ってロストヒーローズごっこ」「むしろもうスパロボごっこでもいいよ」「じゃあ俺そこにプリキュア入れるわー(変身BGM)」というようなカオスを生み出すことが可能になるわけです。初代Wizadryから脈々と受け継がれる「妄想」という長所が、画像とBGMが加わることによってさらに魅力を増している。そこに魅力を感じる人はドツボにハマるでしょう。逆に流してしまう人は100円でも買わない方がいい。そんなゲームです。
自由度というものを求めたゲームは古今東西様々です。そのひとつの形が「パネキット」であり「Skyrim」であるわけです。Wizならではのドラマ性にとことん自由なキャラエディットを組み合わせたエルミ3は、自由度のひとつの極点に位置するゲームであると思います。

Wizとしてどうよ

じゃあWizadryとしてどうなのよーと。いやそこを聞かれても困ります。だって私Wiz系初体験なんですもの。
しかしWiz系のおもしろさというものはよく噛み締められる作品であるように思います。灰化からのロストを経験しました*1。3パーティーが同じ場所で全滅した時にはこれが噂のミイラ取り……と枕を濡らしました。しかしそれでもやめられない魅力を感じたからこその88時間です。やりこみは性に合いません、最終ダンジョンに辿り着くためのゲームシステムを理解するまでに80時間かかっただけです。それでもやめられない、レアアイテム漁り、召喚、盗み、キャラ育成……「先が見たい」ではなく「先に進めたい」なんですよね。安くなった頃に円卓の生徒でも買ってみようかと思います。TH2DTでも可。世界樹もいつかやってみたい。

後継者がいないからかもしれないこその……

エルミナージュというシリーズを作り上げたプロデューサーはこの作品の完成を見ずに退職されたようです。続編「ゴシック」「異聞(アメノミハシラ)」についてはいい噂を聞きません。もしかしたら、次は無いかもしれません。
だからこそのエルミ3だと思うのです。これ以上の妄想ができるゲームは今後出ないかもしれない。だからピンときたら買ってやってみて欲しいと思います。少し私情が入った、お薦め作品です。


*1:フランベルジュが吹き飛んだ