(7/13 色々取り違えていたので一部修正/加筆)
最近「惜しいところまで行っている!」と海外でにわかに沸き起こった人力ヘリコプター熱は、ついに歴史的偉業を達成するところまで到達しました。カナダのAeroVeloプロジェクトの機体、ATLASがついにあのシコルスキー賞の条件を満たすフライトに成功したそうです。下がその映像。美しい!
主要なページヘのリンク集はこちら。
- Finally! A Human-Powered Helicopter Wins the $250,000 Sikorsky Prize
- VFS - Human Powered Helicopter
- http://www.aerovelo.com/2013/07/11/aerovelo-officially-awarded-ahs-sikorsky-prize/
- 全幅58mの人力ヘリコプターAtlas、33年間未踏のシコルスキー賞を獲得 (動画) - Engadget 日本版
また、このプロジェクトはKickstarterでのクラウドファンディングに成功したことで有名になったチームでもあります。学術的意義も高いプロジェクトへのクラウドファンディングの果たした役割は大きく、これからこの側面も注目されることになりそうです。
ちなみにこのチーム、以前には人力羽ばたき機によるフライトを成功させたあのチームだったりします。次は何をやってくれるんですかねえ。
シコルスキー賞とは
原文はここにあるのですが、要するに
- 人力のみのヘリコプターで
- 高度3m、60秒以上のフライトを実現し、
- その間10m四方の枠内に留まり続けること
4.4.1 The flight requirements shall consist of hovering for one minute while maintaining flight within a 10-meter square. During this time, the lowest part of the machine shall exceed momentarily 3 meters above the ground.
という条件を満たしたフライトにアメリカヘリコプター協会が賞金をかけ、挑戦者を募っていた賞です。1980年に設定された賞ですので、足掛け30年以上掛かっての達成ということになります。
ここまでの歩み―YURI-IとGAMERA
この賞が達成されるまでには多くの先達の挑戦がありました。その中で忘れてはならないチームを2つ紹介。
日本の人力ヘリコプター"YURI-I"―基本構造の確立
1994年、人力ヘリコプター界で初めてシコルスキー賞に近づいたのがYURI-Iです*1。内藤晃氏の設計によるこの人力ヘリコプターは、2枚翼4ロータの現在まで続く人力ヘリコプターの基本構造の確立という功績を残しました。