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季刊ペースで人力飛行機や鳥人間コンテストについて情報を追い掛けるブログ

"They Won!"―AerovVeloプロジェクトによるATLASがシコルスキー賞フライトに成功!

(7/13 色々取り違えていたので一部修正/加筆)
最近「惜しいところまで行っている!」と海外でにわかに沸き起こった人力ヘリコプター熱は、ついに歴史的偉業を達成するところまで到達しました。カナダのAeroVeloプロジェクトの機体、ATLASがついにあのシコルスキー賞の条件を満たすフライトに成功したそうです。下がその映像。美しい!

主要なページヘのリンク集はこちら。

また、このプロジェクトはKickstarterでのクラウドファンディングに成功したことで有名になったチームでもあります。学術的意義も高いプロジェクトへのクラウドファンディングの果たした役割は大きく、これからこの側面も注目されることになりそうです。

ちなみにこのチーム、以前には人力羽ばたき機によるフライトを成功させたあのチームだったりします。次は何をやってくれるんですかねえ。

シコルスキー賞とは

原文はここにあるのですが、要するに

  • 人力のみのヘリコプターで
  • 高度3m、60秒以上のフライトを実現し、
  • その間10m四方の枠内に留まり続けること

4.4.1 The flight requirements shall consist of hovering for one minute while maintaining flight within a 10-meter square. During this time, the lowest part of the machine shall exceed momentarily 3 meters above the ground.

という条件を満たしたフライトにアメリカヘリコプター協会が賞金をかけ、挑戦者を募っていた賞です。1980年に設定された賞ですので、足掛け30年以上掛かっての達成ということになります。

ここまでの歩み―YURI-IとGAMERA

この賞が達成されるまでには多くの先達の挑戦がありました。その中で忘れてはならないチームを2つ紹介。

日本の人力ヘリコプター"YURI-I"―基本構造の確立


1994年、人力ヘリコプター界で初めてシコルスキー賞に近づいたのがYURI-Iです*1。内藤晃氏の設計によるこの人力ヘリコプターは、2枚翼4ロータの現在まで続く人力ヘリコプターの基本構造の確立という功績を残しました。

GAMERA2―人力ヘリ熱再着火

で、YURI-Iの後なかなか動きの無かった人力ヘリ界。そこに颯爽と現れ世界記録を更新したのがメリーランド大学によるGAMERA2号です。

CFRPをふんだんに用いたトラス構造を引っさげ、「惜しい」ところまで到達。「シコルスキー賞到達」を現実に捉えた最初のプロジェクトです。

*1:正確にはその前にダヴィンチ3とかあったとか。映像