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季刊ペースで人力飛行機や鳥人間コンテストについて情報を追い掛けるブログ

2020年度の鳥人間コンテストは中止に。新型コロナウィルスの影響大きく

4月7日に政府より緊急事態宣言が発令されるに至り、主催者として今年度の大会を中止せざるを得ないと判断致しました。外出自粛要請が出されている中、多くのチームで機体製作が困難になること、それに伴い機体の安全性が十分に確保できなくなる事態が予見されること、また、チーム活動が感染リスクにさらされる可能性もあること等を考慮した結果です。

鳥人間コンテスト公式webサイトが更新され、2020年大会の開催が中止になることが発表されました。なお、第43回大会が来年に繰り越されるのかどうかには言及されていません。
過去鳥人間コンテストが過去大会中止になった例としては、第21回大会(1997年)の台風9号による全面中止、2009年の世界金融危機による開催中止があります。
また、鳥人間コンテスト人力飛行機という風にめっぽう弱い代物を扱う都合上、部分中止はそれなりの確率で起こります。昨年の第42回大会は1日目が中断されましたし、第41回大会(2018年)は2日目の人力プロペラ機部門が中断・競技不成立となっています。

「機体の安全性が十分に確保できなくなる事態が予見される」事について

ただ、今回の開催回避の判断の裏には、過去の中止例とは異なる事情があると推測されます。大学の構内立入禁止やサークル活動の自粛要請に伴い、特に学生チームが機体の製作やチーム活動自体に支障をきたしていることです。


一例として金沢工業大学さんの告知を掲載しましたが、国公立私立を問わずキャンパスの原則閉鎖措置が拡大しています。また、学生の課外活動に関しては、真っ先に自粛もしくは禁止の対象となったようです。

もちろん社会人チームに関しても同様に活動に伴う感染リスクはあるわけで、いわゆる「三密」のうち特に「密集」を伴うであろう機体製作を休止されているチームもあるのではないでしょうか。春休みからゴールデンウィークにかけてのこの時期を機体製作に費やせない時間的デメリットは計り知れなく、当然大会本番時の安全リスクも高まります。
鳥人間コンテスト用の機体は5月〜6月には完成(ロールアウト)することが多く、7月にはテストフライトを行って機体の調整を行います。特に人力プロペラ機部門の機体は「ぶっつけ本番」という場合は殆どありません。機体の完成が遅れ、テストフライトが十分にこなせないと鳥人間コンテスト当日に危険なフライト*1が発生してしまう可能性も高くなるわけです。
緊急事態宣言以後の感染収束と活動再開もなかなか見通せない中、これ以上判断を先延ばしにできないという判断に至ったのではないでしょうか。

鳥人間コンテストとものづくりイベントのこれから

正直「これから」のことを展望できる状況にはありません。同じものづくり系のイベントで言えば、NHKの学生ロボコンも延期となっていますし、自分もプライベートで楽しみにしていたイベントが中止になったりしました。もちろん鳥人間コンテストもその一つです。
やるせない感情ばかり湧き上がる時期ではありますが、自分と周りの人の感染拡大防止を最優先に行動するしかありませんね。
2021年、今度は絶好の条件下で鳥人間コンテストが開催されることを祈ります。
www.mhlw.go.jp

余談・台風来そうですね(小声)

*1:例えば水面に真っ逆さまに突っ込むとか、岸壁に向かって飛んでしまうなど。テレビ番組のネタにはなっても、会場で見ると凍りつくフライトもしばしば