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ケータイにおけるネットワークRPGの過去と今と未来

ケータイMMOブログの末席として、ケータイネトゲの歴史をまとめてみる。ただし自分が実際に体験したのはイルーナβ末期からなので注意。間違い等あったらご指摘ください。

先越されたorz良まとめなのでこちらもどうぞ。

黎明期―3G登場から始まるケータイネトゲ

ケータイで「ネトゲ*1をしたい、というニーズはiモード開始当初からあったものと思われるが、その黎明は3G登場を待たなくてはならない。2Gではパケット通信費や通信スピードなどの問題があったため、メールプレイング型RPGが限界だったと思われる。
2004年、各社が3Gに移行し始め、端末も高機能になった頃からやっとネトゲと呼べるゲームがリリースされ始める。ブラウザ型ゲーム「ネバーワールドオンライン」等が先駆けとなるが、ここではケータイネトゲの夜明けとして「魔法学園アヴィリオン」を挙げたい。

MMO以前―アバターレンタル型全盛期

魔法学園アヴィリオンMMORPGと称しながら、実態はアバターレンタル型ネットワークRPGであった。しかし、それを考慮しても十分画期的だったと言える。
アバターレンタル型とは、ケータイネトゲ特有のシステムである。基本的にはスタンドアローン型のRPGではあるが、他のプレイヤーが育てたキャラクターをNPCとして取り入れることができる。そうすることにより、疑似的なMOプレイを実現していた。
このシステムの長所は頻繁な通信を必要としないところやデータ量が少なくて済むところにある*2。アプリ容量100KB制限時代の工夫の賜物と言えよう。このシステムは今でも新作がリリースされるなど、一時代を築いている。
また、この時代のネトゲとしては「銀河七海物語」も挙げることができる。貿易をメインとしたシステムなど、コミュニケーション要素の充実が光っていた。
以後数年、docomoではこのような形式のゲームがぽつぽつリリースされる状況が続く。

auからの突然変異―エターナルゾーン

2006年9月、auで一つのゲームがリリースされる。その名はエターナルゾーン。ケータイ初の本格的なMMORPGである。
特徴としては、なんといってもBREWの高速性を生かしたラグの少なさが挙げられる。ケータイとは思えない同期能力の高さと続々と更新されたコンテンツのマゾさ中毒性の高さにより、現在でもトップクラスの人気を誇っている。
参考→エタゾの歴史 - 2ちゃんねるエタゾまとめサイト Wiki*

そして、イルーナの衝撃

2007年9月19日、ケータイネトゲは一つのターニングポイントを迎えることとなる。リリースされたのは「イルーナ戦記オンライン」。日本初、いや恐らく世界初の携帯電話向け3DMMORPGである。
その特徴はなんといってもグラフィックにある。もちろん専用機にはとうていかなわないものの、ケータイとしては最高峰に位置する3Dグラフィック。しかもそれがMMOとして動いているのである。これは衝撃的としか言えない出来事であった。softbank向けに寿司屋のゲームを作っていた企業からこんなエポックメイキングが飛び出すとは……世の中わからないものだと思う。この後イルーナ戦記はオープンα、オープンβを経て、2008年5月、iモード公式入りと同時に正式サービスを開始。現在でもimenu「ロールプレイング」カテゴリ内でFF、DQ、ワンピースに次ぐ4番目にランクされている。*3
参考→イルーナの歴史 - イルーナ戦記 Online Wiki*

MOも夜明けを迎える

時間は前後するが、2007年2月には「メルルーの秘宝」がリリース。横スクロール型アクションMORPGとして人気を博す。また、基本プレイ無料のアイテム課金制ということも特筆すべきであろう。この後ドワンゴはこの課金システムをとったMORPGをリリースし続けている。
同年8月にはモバゲータウン内コンテンツとして「Master of Fantasia」がリリース。ケータイ初の3DMORPGであった。

イルーナ以後〜現在―越えられない壁

イルーナ以後、ケータイMMOは爆発的な広がりを見せる。エレメンタルナイツオンラインを皮切りに、ロストエリュシオンなど意欲的な作品が登場し続けている。ただし、「MMOと表記されていたのに蓋を開けるとバグだらけのMOだった」「ログインするのがゲーム。inしてからは真っ白です」など「「クソゲー」「商品未満ゲー」の割合が高いのも現実であり、良作の好循環を生み出すには至っていない。

将来―鍵は「RO」と「905」

これからのケータイMMO界のキーワードとして、「RO」「905」の二つが挙げられる。
始めの「RO」とは今年夏にリリースされる「ラグナロクオンライン Mobile Story」のことだ。

PC向けMMOの雄がケータイ進出ということで否が応でも期待は高まっており、「ポストイルーナ」の筆頭でもある。とりあえずこれがリリースされるまではケータイMMOはまだ「未知数」であると言えるだろう。これによってこのジャンルの将来が占われると言ってもいいくらいである。
次に「905」である。これはそのまま「905iシリーズユーザー」の事を指す。905シリーズからは端末のスペックも高くなっているが、iアプリオンラインに対応していないなどのウイークポイント(というより進化前の部分)がある。このバカ売れした層のユーザーがいつ乗り換えるか(具体的に言うとiアプリオンライン含むStarプロファイルがいつ本気を出すか)がもうひとつのポイントとなるのではないか。


まだまだ未成熟のこのジャンル。しかし、未成熟だからこその熱さがあるのも事実。色々とwktkしつつ、一応の締めとします。

*1:ここでは多人数参加型ゲームと定義

*2:それでもパケット定額は必須

*3:ただしかなりの数の広告を打っているため、ビジネスとしてはどうなんだろう